如月の空の下、光る君を見つけた。
それは冬の寒さがまだ感じられる春の日のことだった。



「ただいま」



いつも通り大きな声を張り上げる。


返事はない。


なら、寝息は?


寝息も聞こえない。


珍しく外にでも出たのかな?


それなら嬉しいけれど...違った。


私の目に飛び込んで来たのは、


宙に浮いた父の姿だった。


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