如月の空の下、光る君を見つけた。
翌週の水曜日。


私はCDショップに駆け込んだ。


CDを買い、そこについてくるQRコードにアクセスするとファンクラブに入れるという仕組みになっているらしかった。


お釣りが出ないよう、封筒にきっちりお金を入れて準備していた。


ロスタイムもなく、ダッシュで近くの喫茶店に入り、Wi-Fiを拾いながら会員登録した。


夢の1桁は無理だったけど、52番というわりと早い番号に収まったから、私はテンションが上がり、自分のデビュー日でもないくせにパフェを食べた。


私はやっと救われ、ヲタク街道を走り出したのだった。


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