如月の空の下、光る君を見つけた。
お互いに無言のまま1時間以上勉強したところで会議を終えた先生がやって来た。



「おお、仲良くやってるじゃないか」


「先生、プリント終わりましたよ」


「今日は頭の回転早かったようだな、二葉」


「えっへん!」


「えっへんとはなんだ。随分古めかしい挨拶だな。それより、片桐。お前はどうだ?」



先生が片桐くんの顔を覗き込む。



「やっぱカッケーな」


「は、はぁ...」


「うん!詩央くんカッコいいよ」


「うるさい」



ふふふ。


ちゃっかり照れてんじゃん。


さては同性に誉められたから嬉しいんだな。



「プリントは空欄なしっとぉ。よしっ、帰っていいぞ」


「ありがとうございます」


「二葉も今日は良く頑張ったな。お疲れ様」


「お疲れ様でございますっ!」


「はいはい。じゃあ、また来週」



熊みたいな先生は背中を丸めて地響きさせながら階段に向かっていった。



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