転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
ヴァルテリが戦場となっているグランディエ辺境伯領へ向かってから、ひと月ほど経ったとき、伝令係が早馬にのり王宮へやってきた。

アイリーンはその騎士を謁見の間へ案内し、そこで話を聞くことにした。

「王妃陛下、お伝え申し上げます。
我が、オベリア王国はキール帝国に勝利いたしました。

現状は負傷兵が13人ですが、全員命に別状はなし。
グランディエ辺境伯領の医師が治療をしており、回復次第戻る予定でございます。

国王陛下も負傷していない兵とともに数部隊に別れてこちらに向かっております。」

この報告を聞いてアイリーンはどれほどよかったと感じたことか。

ヴァルテリが戦場へと向かってからアイリーンは気が気ではなく、何かをしていなければ、ずっと部屋のなかでため息ばかりついていた。

「ご苦労様です。
あなたはまた戻るわけではないのですよね?
全員戻ってきたら慰労会を開きます。
それまではゆっくり休んでください。」

アイリーンは伝令係の騎士にそう伝え、謁見の間を後にした。
< 155 / 213 >

この作品をシェア

pagetop