転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
そんな生活を続けて２ヵ月を少し過ぎたころ、ついにアイリーンは必ずしなければならない王太子妃としての知識８割以上を身につけた。

「アイリーン、おめでとう。

ここまでよく頑張ったわね。
今日からはおなかの子のためにも最低でも７時間は睡眠をとるように。

今後のスケジュールは半月後の式典のために、ヴァルテリとともに準備をしてもらいます。

式典はそこまで難しいものではありませんが、来賓に向けて挨拶をしてもらうので、その辺りはヴァルテリと考えてください。

あと、衣裳の確認をしましょう。
今はつわり前と同じくらい細くなったのでおそらくは大丈夫でしょうが、念のため一度着てみましょう。」

カルロティーは侍女に頼んでアイリーンの部屋からドレスを持ってきてもらった。

そしてアイリーンがそのドレスを着用すると、カルロティーの口からため息がこぼれた。

「初めてアイリーンが着た姿を見たけれど、素敵だわ。
うん、今の状態ならおなかの部分も手直しをする必要はなさそうね。

今は、コルセットしてるの？」

アイリーンのおなかは少し膨らんでいたが、くびれがしっかりと見て取れた。

きっとコルセットをしているのだろうとカルロティーは思っていたが、返答は違った。

「今は、リンネが絶対にコルセットをしては駄目というので一切していません。

やっぱりしていないと太って見えますよね…」

アイリーンは少し落ち込んだが、それを励ますようにカルロティーは「まるでコルセットをしているように、おなかに子どもがいないように見えます。」とアイリーンに伝えた。

アイリーンは妊娠を機にかなり体形が崩れたと思っていた。

しかし、実際のところ、体形が崩れたのはレモンのマフィンを多く食べていた時だけだった。

レモンのマフィンを食べなくなってからはもとの体形にほぼ戻っていた。

アイリーンの体形維持には周囲の人が驚くくらい、完璧だった。

それをアイリーンは何も意識せずにやってのけたので周囲の人は本当に不思議がっていた。
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