上司は優しい幼なじみ
そんなことをいろいろ考えているうちに、お昼休憩になってしまった。
山本さんに声をかけてみると、今日はどうしても午前中に終わらせないといけない業務があるらしく、軽食をつまみながら過ごすみたいだ。

一人で食堂に向かい、今日のラーメンは何か予想する。
エレベーター前にたどり着いたとしたところで、たっくんの姿が目に入った。
同じ部署の半田さんという男性社員と一緒にエレベーターを待っていた。
これだとさすがに声をかけづらい…

そのまま列の後ろに並び、私もエレベーターを待つ。
この時間は食堂に向かう人たちであふれかえっている。
一応階段もあるけれど、商品企画部のフロアが5F、食堂が1Fだから、なかなか階段を使う人たちは少ない様子。

エレベーターが到着し、ぞろぞろと人が中に入る。
ギリギリ私も入ることができた。

丁度たっくんの目の前に立つ形となり、「お疲れ様です」と軽く頭をさげた。

「お疲れ様」

背中でたっくんの存在を感じる。
付き合っているわけでもないのに、秘密の社内恋愛をしているかのようなドキドキを味わっている。
< 33 / 275 >

この作品をシェア

pagetop