上司は優しい幼なじみ
1Fに到着し、ドアが開く。
人波に押し出されるかのように出て食堂に向かおうとすると、後ろから呼び止められた。

「岡田さん」

「…!はい!」

呼び止めたのは紛れもなくたっくんだった。

「一人?一緒に食べる?」

隣の半田さんを親指で指さし「こいつもいるけど」と言葉を続けた。

「え?でも、ご迷惑じゃ…」

「俺は全然大丈夫だよ!」

半田さんがにこやかに笑う。
お言葉に甘え、同席させてもらうことにした。

席を取り、メニューを見に行くと、どうやら今日のラーメンは博多風とんこつラーメンらしい。
うん、おいしそう。
食堂のおばちゃんから受け取ったどんぶりをトレーに乗せて席に戻ると、すでに二人が着席していた。

「すみません、お待たせしました」

二人とも日替わり定食で、ご飯が多く盛られている。
半田さんが「いただきます」と号令し、箸を進める。

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