上司は優しい幼なじみ
書き出したアイデアのうち、商品化のイメージが一番できそうなものを絞り込んでいく。

没頭していると、いつのまにか定時を過ぎていた。

「岡田さん、頑張ってね」

山本さんは家でもプレゼン資料を作るのか、ノートパソコンをいつもより大きなバッグにしまい、私に声をかける。

「あ、お疲れ様です」

もうそんな時間か…
今作業を止めるのはもったいないと思い、少し残ることにした。

試行錯誤しながら資料を作っていると、テーブルにコーヒーが置かれた。
後ろを向くと、たっくんが私のPCをのぞき込んでいる。

「プレゼンは、新商品の紹介、ターゲット層、その商品がもたらす効果でまず要点をまとめるといいよ」

たっくんの手にもコーヒーが。一口飲み、それだけ言い残して自席に戻っていった。
フロアを見ると、ここにいるのは私とたっくんだけだった。

たっくんからもらったアドバイスをもとに、再び画面と向き合い頭を回転させる。
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