ぜんぜん足りない。
はなしが尽きない。

.


.



……うう、なんかだめ。


せっかくいい夢見てたのに、途中から思い出のスライドショーに切り替わっちゃった。



最初は、ベッドでいい感じだったのになあ。

頭撫でてもらって、そのまま存分に甘やかしてもらいたかった。



もったいないよ……。



もうすぐ夢が覚める気配がする。

現実がすぐそこまで迫ってきてるの。



「……桃音」



ほら、誰かが呼んでる。

体を揺すってる。

意地でもわたしのこと起こす気だな。



まだ眠たいけど……しょうがないなあ……。



「……桃音」

「……」


「いいかげん、1回起きて」

「……、……ぅ?」



今、目を開けてうっすら見えたのは……幻覚?


こおり君っぽい、こおり君みたいな、こおり君がいたんだけど……。



「ほら、水飲みな。脱水起こす気?」

「……え?」


< 290 / 341 >

この作品をシェア

pagetop