年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 だけど、真っ直ぐに告げられた賛辞は、私の心を温かにしてくれる。
 思えば、自分の言動を褒められたり、認められたりというのは、お父さんやお祖父ちゃん、お祖母ちゃんが亡くなってから初めての事だった。
 肯定が、力になる。胸が、前向きな思いで満たされる。
「果たして、本当に私にそんな武器があるのか……。けれどゴードン伯爵夫人、私は自分をもっともっと磨きます。私はセラヴィンさんの隣に立つと決めました。だからあと半年、おんぶに抱っこにならないように自分の足で、自分の力でセラヴィンさんの隣を歩けるように頑張ります」
 セラヴィンさんは婚姻式を、私が成人を迎える半年後に定めた。帰国してすぐ、広く国内外に告示も済ませている。
 あと、半年……。この短い期間で、私はなんとしても王妃としての体裁を整えなければならなかった。
「まぁ、ふふふ。やっぱりリリア様、あなたはとっても魅力的。そうしてあなたなら、セラヴィン陛下の隣を歩くだけじゃなく、その荷物まで一緒に持ってしまえそうね」
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