年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 応接間に差し掛かると、薄く開いた扉から複数人の話し声が聞こえてきた。
 ……あ、もしかして早かったかな?
 廊下に置かれた振り子時計に目線をやれば、時刻は約束の二十分前。移動時間に余裕を持ったのがアダとなり、どうやら少し早く着き過ぎてしまったようだった。
 ……少し時間を置いて出直そう。
 踵を返し、応接間に背中を向けた。
「早急に手を打たねば、復興資金が枯渇する。とはいえ、国民にこれ以上の負担は掛けられん。また高位貴族らに、寄付を願うしかない」
 けれど、中から聞こえてきたセラヴィンさんの声に足が止まった。
 ……復興資金が、足りない?
 私はそのまま、中の会話に耳を澄ませた。
「寄付に頼るのは限界が見えておりますぞ」
「そもそも、お前が頭下げて回ったところで、払わねえタヌキは絶対にびた一文払わねえぜ。エリオット子爵なんかがいい例だ」
 中からはセラヴィンさんの他、ゴードン伯爵とルーカスさんの声が聞こえてきた。
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