年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 しかし、だからこそ密かに物品を置いたり、時間を過ごすのには、うってつけだと思った。私はその日から、人目を忍んで貯蔵小屋の掃除に取り掛かった。そうして私は幾日もかけ、積もる埃に張り巡らされた蜘蛛の巣、それら全てを取り払い、自分だけの安息地を手に入れたのだ。
 そうして今日も、私は使用人の目を盗んで手に入れた新しいガーゼを持って、貯蔵小屋の戸口を開けた。
 実は、この三年の間で私にも月の障りが訪れるようになっていた。けれど私は、お母様はもちろん、使用人にも告げる事をしていない。
 だから、脱脂綿やガーゼといった手当てに必要な物は、全て使用人らの目を盗んで手に入れていた。これらは入手できる時に多く貯めておかなければ、あっという間になくなってしまう。
 いつも通り戸を閉めて、目張りとして下げた古布に手を掛ける。

 ――カタッ。

 えっ!?
 古布の向こう側から上がった小さな物音に、ビクンと肩が跳ねる。私は布の端を掴んだ体勢のまま、硬直して動けなくなった。
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