溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
みると、驚いたように目を見張っている相沢。


「ほ、ほら、母さんがそう言ってただろ!」


なに慌ててんだよ、俺!
これじゃあまるで、そう呼んでほしいみたいじゃねえか。


「そ、そうだよね! しばらくは家族みたいなものだし」


「お、おう……」


「じゃあ、私のことも小春でお願いします」


「……っ」


俺を名前で呼ばせるなら、そういうことになるのか……?


女を名前で呼んだことなんてないし、できるか微妙だけど。


「わかった」


そう言うと、小春はぱあっと花が咲いたように笑顔をみせた。


……っ。


まただ。


小春のこの顔を見ると、なぜか不思議な気持ちになるんだ。


それがなんなのかは、わかんないけど。


「よかった……」
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