溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「失礼します……」


そーっと部屋に足を踏み入れた。


一番東側の部屋だから、朝陽がこれでもかって程差し込んでいる。


顔に日差しが当たっているのに、まぶしくないのかな?


「朝ですよ……起きてください……」


これで起きるわけないのはわかってるけど、一応声を掛けてみる。


はぁ……だめか。


思った通り、無反応。


タオルケットを1枚だけかけて無防備に横たわっているその姿に、ふいに胸がドクンと鳴った。


これは、女の子が騒ぐのもすごくよくわかる。


相変わらずいつ見てもキレイな顔。


「きっと、毎日のケアがすごいんだよ!」なんて誰かがウワサしていたけど。


お風呂にも洗面所にも、そんなすごいものはなかったし、お風呂が長いってわけでもない。


もう、元の違いだよね。
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