溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「って、のんきに見てる場合じゃなかった!」


よーし。こうなったら、『必殺!ツッパリ棒』だ!


1メートルくらいのそれを、朔くんの肩にあてて揺さぶる。


「起きて!  遅刻するから!」


「うーん……」


すると、こちらに向かって大きく寝返りを打つ朔くん。


やった! 動いた!


まるで、大きな石像がようやく動いたかのように感動する私。


「ほーら!」


もう一回、ツッパリ棒をグイグイ肩に押し込む。


「んー……」


ふふふ。


すごい嫌がってる。


寝ながら険しい顔をして、体を左右に動かす朔くん。


なんだか楽しくなってきちゃった。


よーし、次はわき腹辺りを攻めてみようかなーなんて思っていると──。
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