溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

温もりが重なって、すごく安心する。


朔くんにとっては、ただのクセからの一連の動作だとしても、こうしてもらえるのが嬉しい。


これがないと、もう私の一日は始まらないかもしれない。


朔くんはまだ眠ったままだし、しばらくその腕のなかで幸せをかみしめる。


やがて目覚めた朔くん……。


「……小春?」


「あ、起きた?」


「ごめん、ここで寝ちまったー」


頭が完全に目覚めてないのか、モゴモゴと呟く朔くんは、私を抱きしめる手を緩めない。


やっぱりそうだったんだ。ずっと隣にいてくれたんだ。


だから、あんな穏やかな夢も見れたんだ。


「こっちこそごめんね。でも、朔くんがいてくれてよかった」


「……っ」


すると、パチッと目を開く朔くん。


朝日に照らされた朔くんの顔が、赤くなっていく。


朔くんでも照れたりするんだ。


なんか可愛い。
< 238 / 326 >

この作品をシェア

pagetop