溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

絶対に、許さない。


【朔side】


「小春の具合はどう!?」


「熱っぽかったから休ませた」


「そっか」


早めに登校した俺は、同じく早めに登校した金子に、小春の様子を伝えた。


俺と金子は同中出身だし、金子のキャラからして、喋っていても周りからはあまり奇特な目で見られない。


「今から、寺田(てらだ)のとこに行ってくる」


小春にあんなことをしたグループのリーダーは、3年の寺田という女だと金子から聞いた。


……俺のファンクラブの会長とかいう、ふざけた立場のヤツ。


「ほんとに?」


「それしかないだろ。ぜってー許さねえし」


同じクラスにも仲間はいるらしいが、トップに話しをつけなきゃ意味がない。


思い出しただけで腹立たしく、俺はそう息巻いたのだが。


「ふーん」


金子がニヤニヤしながら俺を見る。
< 240 / 326 >

この作品をシェア

pagetop