溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

「……なんだよ」


「昨日もすごい必死だったよね~」


……何が言いたいんだよ。


目は口ほどにモノを言うみたいな表情の金子に、冷汗が流れる。


「もしかしてさ~」


その先は聞きたくない。


「と、とにかく行ってくるからなっ」


続きを言わせず、俺は教室を飛び出した。


……まずいな。


金子は鋭いから、もしかしたら何か勘繰られたのかもしれない。


確かに、昨日の俺は我を忘れてた。


ただ、小春を助けるために必死で。


こんなに誰かのために必死になったのなんて初めてだろう。


これが、なんとも思ってない女子だったら……?


そう考えれば、答えなんて簡単だ。


──俺が、小春を好きだからだ。


女ギライを貫いてきたのに、金子に俺の気持ちがバレているとしたらハズすぎるっつーの。
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