溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

「小春が心配で、ダッシュで帰ってきた」


ドキンッ……。


朔くんの額ににじむ汗、表情を見れば、それが嘘じゃないって思えて。


ドキドキが加速していく。


「てか、なに作ってんの?」


「餃子を作ってるの」


と、ひとつ包んだ餃子を見せれば。


「ムリしなくていいのに。メシなんて適当に食うから」


どこまでも私の体を気遣ってくれる。


「でも、昨日も作れなかったし、ちゃんと栄養摂らないと」


ゴミ箱に、カップラーメンの容器が捨ててあったのを見ちゃったんだ。


私が作らないと、結局そういう食事になるのはわかっていたし。


「サンキュ。でも、ほんとムリすんなよ?」


やっぱり心配そうな顔をした朔くんは、そのままシャワーを浴びにいった。


朔くんの顔見るとホッとするなぁ。
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