溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
そのあとから、校内で会えばこうして気軽に声を掛けてきてくれるようになって、いまでも交流が続いている。


あとになって知ったけど、平井先輩は校内では超有名人で。


私も初めて会ったときにドキッとしたけど、カッコよくて、見るからに硬派で凛としていて。


当時は生徒会の書記を務めていて、それはもう女の子に絶大な人気を得ていた。


今は生徒会の副会長になって、その人気はさらにあがってるんだ。


こんな素敵な人が、私に声を掛けてくれるなんて今でも夢みたい。


「おはよう」


今日も朝から爽やかな笑顔。


永瀬くんとはタイプが真逆なのに、モテっぷりは一緒って、なんだか不思議だなぁ。


「そういえばさ、また子猫が産まれたんだよ」


「え、ほんとですか?」


平井先輩はスマホのカメラロールを開き、画像を見せてくれる。
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