溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
人間じゃなくても、ぬいぐるみやモノでも同じだ。


ただ、心得てる母親は、いつもうまく交わしてるって話だが。


何年も訓練してそうなったものの、相沢が交わせるはずないよな。


中学の修学旅行でも、同室の男子にやらかしてしまい、しばらく笑いのネタにされた。


とにかく。今後一切、相沢を俺の部屋に立ち入らせないようにすればいい。


「朔~、ごはんよ~」


呼ばれて下へ降りると、ダイニングテーブルにはカレーとサラダとスープが並んでいた。


グーっと腹が鳴る。


「見て見て! これ全部小春ちゃんが作ってくれたのよ!」


「全部じゃないですよ。香織さんも一緒に手伝ってくれたじゃないですか」


べつに誰が作ったとかどうでもいいし。


とにかく腹が減っていた俺は、いただきますもそこそこにスプーンを手に取りカレーを口に放り込む。
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