同居中のイケメン幼なじみが、朝から夜まで溺愛全開です!
「この家は残せるんでしょ? だったらわたしひとりでここに残る!」
だってあんまりじゃない?
「それがね、綾乃」
どうやらお母さんの話によると、この社宅には次に入る人がすでに決まっているらしい。
ひどいよ。
どうしてわたしになんの相談もなく決めちゃうの?
目にじんわり涙がたまっていく。
「そこでお母さんからの提案なんだけど」
涙目のわたしに、お母さんが得意気に微笑んだ。
「ここに来る前に住んでたご近所の桐ケ谷さんって覚えてる? 綾乃が5歳ぐらいのときよ。半年ぐらいでわたしたちが引っ越しちゃったから、綾乃はそれっきりだと思うけど」
桐ケ谷、さん……?
「さ、さぁ……?」
お母さんの言葉に首を横に振る。
名字だけ言われてもピンとこない。
5歳のときの話だし。