僕だけが独り占めしたい。
すごくすごく可愛くて、母性本能くすぐられるというか、彼氏とは思えないくらいかわいい。



「海翔くんがわたしのこと本気だって知らなかった。いまもわかんない。でもわたしはすきだったからそれでいいかなって」




あわよくば伝えてほしいけど、わたしは海翔くんの近くにいられれば満足だった。

はじめは、わがままで自由な海翔くんのことがすこし苦手だったけど、いまはもう海翔くんに溺れているんだと思う。




「本気だし。芙結ちゃんが他の男と話してたらすごいイライラする。さっきみたいに。おれ思ったよりも」



海翔くんの双眸がわたしを見つめていて、大きな瞳と目が合って、どきりとする。

急に表情を変えて、逸らしたいのに逸らせなくて、じっと見ることしかできなくて。
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