僕だけが独り占めしたい。
「芙結のことすきだった」
「……っ。言うの遅いなあ」


照れたけど、バレたくなかったから、絶対からかわれるから強く言ってみる。

ずっと耳に残るさっきの言葉は1年もいっしょにいたのに、はじめて聞いた。


わたしだって遊ばれてるなんて思ったことないし、傷つけられるとも思ったことない。



「ごめんね?でもおれちゃんと言ってたじゃんー。信じてくれなかった芙結ちゃんも悪いよ」
「悪くないよぉ……軽いんだもん」

「おれはいつも本気。そういう芙結ちゃんこそちゃんと言ったことないよね?」




何も言い返せないのは、わたしも伝えたことがないから、1回も言ったことがないからだった。

言い訳すると、海翔くんはそういうの聞きたがらないと思っていたから、わたしに興味を持っているようにも見えなかったからで。
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