僕だけが独り占めしたい。
海翔くんに乗せられて理性を失いそうだったけど、まだ理性は生きている。

海翔くんの理性は……というか、そもそも彼に理性はないと思う。




「顔真っ赤なのに強がっちゃって」
「はやく帰るよ!!誰か来たら大変だから!」

「えー、おれは見せつけたいかも」
「もー!」




このまま言い続けても何かしら言い訳してくると思ったわたしは彼の手を引いて教室を出た。

幸い教室を出るところも誰にもみられずに済んで、よかったけど、彼の表情がすごく気になる。




「海翔くん、いじけないで」
「いじけないけど……」

「学校ではだめだよ?」
「学校じゃなきゃいいの?」
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