Your Princess
とにかく、蘭の名前を叫んだ。
地上に出て。
階段を駆け上がって。
蘭の部屋へ行くと。
ドアが開いていた。
「蘭様」
普段、運動しないせいか。
ちょっと走っただけなのに。
息をするのが苦しい。
ぜいぜいと呼吸をしながら。
部屋の中にいる蘭に向かって叫んだ。
蘭は、等身大の鏡で見なりをチェックしている。
蘭は私には目もくれず、鏡を見続けている。
「お願いします、クリスさんを牢屋から出してください」
大声で言うと。
蘭は、カバンを持って。
部屋を出た。
「お願いです。私が無理矢理、クリスさんに頼んで外に出させてもらったんです」
「あのなぁ…」
呆れたように、蘭は私を見下ろした。
馬鹿にするような目だった。
「お願いです。クリスさんを牢屋から出してください。クリスさんは悪くありません。私を罰してください」
「…あのなぁ。オマエ、自分の立場わかって言ってんのか」
蘭がため息をつく。
「俺が奥さんを罰するなんて、世間体的によくないだろうが」
「だからって、どうしてクリスさんを牢屋に入れるんですか!」
大声を出しても、蘭の気持ちには変わりないようだった。
蘭は数歩、足を進めたかと思えば。
振り返った。
「俺に対して、頼み事をするのに。その態度なわけ?」
…この人、本気で嫌いだ。
蘭は笑った。
そうか。
やっぱり、蘭は蘭だ。
私は、その場にしゃがみ込んで。
地面に膝をつけた。
「お願いします。クリスさんを牢屋から出してください。悪いのは私です。私を罰してください」
頭を下げる。
こんなことになるなんて思わなかった。
「頭を上げろ」
頭上から蘭の声が降ってきて。
頭を上げる。
すると、蘭は無表情で私の顔についているフェイスベールを剥ぎ取った。
「おまえに、こんなもん必要ない」
スタスタと蘭が歩いて行ってしまう。
「お願いです。蘭様」
そのまま、蘭は行ってしまった。
地上に出て。
階段を駆け上がって。
蘭の部屋へ行くと。
ドアが開いていた。
「蘭様」
普段、運動しないせいか。
ちょっと走っただけなのに。
息をするのが苦しい。
ぜいぜいと呼吸をしながら。
部屋の中にいる蘭に向かって叫んだ。
蘭は、等身大の鏡で見なりをチェックしている。
蘭は私には目もくれず、鏡を見続けている。
「お願いします、クリスさんを牢屋から出してください」
大声で言うと。
蘭は、カバンを持って。
部屋を出た。
「お願いです。私が無理矢理、クリスさんに頼んで外に出させてもらったんです」
「あのなぁ…」
呆れたように、蘭は私を見下ろした。
馬鹿にするような目だった。
「お願いです。クリスさんを牢屋から出してください。クリスさんは悪くありません。私を罰してください」
「…あのなぁ。オマエ、自分の立場わかって言ってんのか」
蘭がため息をつく。
「俺が奥さんを罰するなんて、世間体的によくないだろうが」
「だからって、どうしてクリスさんを牢屋に入れるんですか!」
大声を出しても、蘭の気持ちには変わりないようだった。
蘭は数歩、足を進めたかと思えば。
振り返った。
「俺に対して、頼み事をするのに。その態度なわけ?」
…この人、本気で嫌いだ。
蘭は笑った。
そうか。
やっぱり、蘭は蘭だ。
私は、その場にしゃがみ込んで。
地面に膝をつけた。
「お願いします。クリスさんを牢屋から出してください。悪いのは私です。私を罰してください」
頭を下げる。
こんなことになるなんて思わなかった。
「頭を上げろ」
頭上から蘭の声が降ってきて。
頭を上げる。
すると、蘭は無表情で私の顔についているフェイスベールを剥ぎ取った。
「おまえに、こんなもん必要ない」
スタスタと蘭が歩いて行ってしまう。
「お願いです。蘭様」
そのまま、蘭は行ってしまった。