メーティスの告白
「……放っておいて」

一日中ベッドの上に縛り付けられ、体を動かすことがほとんどできないためお腹も空かない。玲奈は洋一から顔をそらした。

「いつまでこんなことをする気?一体今度はどんなメッセージにするつもりなの?」

玲奈が訊ねると、「そろそろもういいかなって思ってはいる」と洋一が楽しげに答えた。ガタンと物音がし、玲奈が洋一の方を見ると彼は机に向かっていた。

「……何をする気なの?」

玲奈の胸の中に嫌な予感が走る。洋一は芽殖孤虫を手に取り、玲奈のもとに近づいて来た。

「寄生虫学者が寄生虫によって死ぬ。愛する寄生虫に殺される。素敵な話にならない?」

「ふざけないで!!やめて!!」

玲奈は抵抗するが、虚しく縄の音が響くだけだ。洋一は「安心して」と笑いかける。

「俺もすぐに寄生される。こんなに美しい犯罪はないだろ?」

洋一の歪んだ笑みに、玲奈は目を閉じる。そして、叫んでいた。

「透、助けて!!」
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