私のご主人様~ifストーリー~

「ッ琴音さん!!」

店内に顔を向けたのと、店の内側からドアが開け放たれたのはほぼ同時。

飛び出してきた男性に、すぐに重なった面影があった。

「…心結くん?」

「ッ!!ほ、本当に…っあだ!!?」

心結くんの背後に立つおじさんは、割烹着姿だったけど、よくお似合いだ。

店のなかから出てきたところを見ると、店主さんかな?

「何してんだっ、坊主!!商品をダメにしやがって!」

店主さんの言う通り、店内には無残にも床にこぼれた惣菜が散らかってしまっている。

我にかえったのか、心結くんはろくに反論も出来ず黙る他なかった。

「片付けろ!」

「い、いや…でも………」

「さっさとしろ!!」

店主さんに押されて店内に戻っていく心結くん。
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