求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
憂鬱になったの同時に、ホームに電車が滑り込んで来た。
多くの会社の退社時間の為、かなり混み合っている。
ドアが開くのと同時に人の流れに乗り、車内に押し込まれた。
なんとか反対側のドアの端辺りをキープして、体勢を安定させる。
「随分混んでるな」
結衣の直ぐ後ろで遥人の声がしたのでドキリとした。いつになく距離が近いのだ。
というより、結衣の背中に遥人がくっついている形。
混んでいるから不可効力なのだけれど、平然とはしていられない。
(ど、どうしよう。絶対意識してるのが顔に出てる)
多分、顔が赤くなっているはず。遥人には絶対見られたくない状態なので、振り返らずに返事をする。
「なにかイベントでもあるのかな。そう言えばどこの駅で降りるの?」
「ごめん、言ってなかったな。二駅先で降りるんだ」
偶然にも、以前遥人と食事に行った店がある駅だ。賑わった駅で通りには飲食店が沢山立ち並んでいた。
(あの日、才賀君に好きだって言われたんだよね。私も告白して……今となっては嘘みたい)
「二駅とはいえ、いつもの会場より遠いんだよな。混雑する可能性が高いし、部長たちは、タクシーでの移動にした方がいいかもしれない」
「あ……そうだね。タクシーも混んでるかもしれないから抑えておこうかな。私達一般社員は電車で問題なさそうだね。あの駅なら二次会の店には困らなそうだし、逆に好評かも」
「詳しいな。水島さんの行動範囲だったのか」
「ううん。そう言う訳じゃないよ。ときどき待ち合わせで使うくらい。最後に行ったのは才賀君と……」