求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
エレベーターを降りて近くにあるパウダールームに寄り、大きな鏡の前に立つ。

セミロングの髪は、アイロンで毛先を少しカールし、ワックスで艶を出している。

生まれつき丈夫な髪質の為殆ど痛みはなくまとまりがいい。自分の容姿で気に入っている数少ないポイントだ。

他は至って平凡。身長158センチ、体型は普通。

筋肉が無いのでみかけよりは体重が軽いかもしれない。少し垂れ目で実年齢より年下に見えてしまうのを、メイクでなんとか誤魔化している。

遥人と比較すると溜息が出るくらい平凡な自分の姿。それでもせめて清潔感は持っていたくて、念入りに身だしなみのチェックをした。

一通り終えると、自席のあるフロアへ向かう。

遥人は出社が早いからもう着いているはず。

昨夜の件があるから、どうしても緊張する。

目が合ったら絶対意識してしまうだろうけど、顔に出さないように気をつけないと……。
< 14 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop