求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「おはようございます」
建築デザイン部オフィスの扉を開きながら元気に挨拶をした。
大きな声を出すのは苦手だけれど、朝と就業の声かけだけは新人の頃から意識して声を出している。
横長で採光性の高いつくりのフロアは今日も明るく、開放感がある。
結衣の席は入口近くの一番端。背後が壁の為、落ち着いて仕事がしやすい。
着席する際、さり気なく窓側の一画に視線を投げた。そこは遥人たち建築士グループの席。
思った通り遥人は出社済で、近くの席の男性と何か話し込んでいる。陽の光を受けるブラウンの髪はサラサラで清潔感に溢れているし、時折見せる笑みは柔らかく見惚れてしまいそうになる。
(今日も、爽やか…)
遠目から見ただけなのに、胸がきゅっとなる。いけないと慌てて目を伏せた。
(こんなんじゃ周りに気付かれちゃいそう)
結衣としては隠さなくていいと思っているけど、遥人の意向を聞く迄は気付かれないようにした方がいい。
今は仕事に集中して、遥人を意識し過ぎないようにしよう。