求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
でも彼女の気持ちはよく分る。結衣自身少し前まで梓に対して同じような不満を持っていたから。
それに彼女は自分は資格職だからと、結衣たちアシスタントを見下しているように感じる節もあったのだ。
その認識が変化したのは、今から三ヶ月程前、遥人に愚痴を零したのがきっかけだった――。
『瀬口さんっていつも緊急の依頼ばかり。もうちょっとこっちの都合も考えてくれたらいいのに』
その日は同期での飲み会があり、結衣も参加するつもりでいた。
それなのに、彼女からの急な仕事の依頼でキャンセルしなくてはならなくなった。
楽しみにしていただけにがっかりしたのと、その場に居たのは同期の遥人だけだった為、普段は表に出さないようにしている不満をうっかり口にしてしまった。
遥人は少し驚いたような表情をしたあと、結衣の隣の席に座り小声になる。
『確かに彼女の仕事の頼み方は問題があるよな。でもさ悪気はないんだよ、自分の仕事に必死で周りが見えなくなってるんだ』
『……彼女そんな大きな案件担当してたっけ?』
結衣の知る限り、遥人の方がよほど忙しいはずだけど。
『うーん、業務が増えたって訳じゃないんだけど、形に残らない仕事ってやつ? 瀬口さんそういうの多いんだよ』
『ああ……たしかにあるよね』
結衣たちアシスタントはよくあることだ。例えば他部署との会議の時間の変更が発生すれば、メンバーに連絡して会議室も取り直す。会議室が空いていなければ、急いで代わりになるスペースを探さなくてはならない。
サンプルを取り寄せたときは、担当の建築士に渡す前に不備がないか中を確認して、業者に到着とお礼のメールをして……。
難しい内容ではないが手間がかかる。
でもそういった業務に時間がかかるのを認識している人は少ない。殆どの人は気にもしていなくて、だから気軽に『やっておいてね』と頼んで来る。
それに彼女は自分は資格職だからと、結衣たちアシスタントを見下しているように感じる節もあったのだ。
その認識が変化したのは、今から三ヶ月程前、遥人に愚痴を零したのがきっかけだった――。
『瀬口さんっていつも緊急の依頼ばかり。もうちょっとこっちの都合も考えてくれたらいいのに』
その日は同期での飲み会があり、結衣も参加するつもりでいた。
それなのに、彼女からの急な仕事の依頼でキャンセルしなくてはならなくなった。
楽しみにしていただけにがっかりしたのと、その場に居たのは同期の遥人だけだった為、普段は表に出さないようにしている不満をうっかり口にしてしまった。
遥人は少し驚いたような表情をしたあと、結衣の隣の席に座り小声になる。
『確かに彼女の仕事の頼み方は問題があるよな。でもさ悪気はないんだよ、自分の仕事に必死で周りが見えなくなってるんだ』
『……彼女そんな大きな案件担当してたっけ?』
結衣の知る限り、遥人の方がよほど忙しいはずだけど。
『うーん、業務が増えたって訳じゃないんだけど、形に残らない仕事ってやつ? 瀬口さんそういうの多いんだよ』
『ああ……たしかにあるよね』
結衣たちアシスタントはよくあることだ。例えば他部署との会議の時間の変更が発生すれば、メンバーに連絡して会議室も取り直す。会議室が空いていなければ、急いで代わりになるスペースを探さなくてはならない。
サンプルを取り寄せたときは、担当の建築士に渡す前に不備がないか中を確認して、業者に到着とお礼のメールをして……。
難しい内容ではないが手間がかかる。
でもそういった業務に時間がかかるのを認識している人は少ない。殆どの人は気にもしていなくて、だから気軽に『やっておいてね』と頼んで来る。