求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~

遥人と歩く十分は本当にあっという間だ。マンションのシルエットがもう見えて来てしまった。

もうお別れかと残念だ。それとも部屋に誘った方がいいのだろうか。

(でも、帰るのがこれ以上遅くなるのも悪いよね)

どうしようかと迷っていると、遥人が思いがけないことを言った。

「初詣の後、俺の家に来ないか?」

「でも、才賀君の家族もお休み中でしょう?」

遥人の父と兄は親会社連城地所の経営者だ。つまり結衣にとっての間接的ながらも雇用主になり、ものすごく緊張する相手だ。

大会社の経営者の家なのだから、結衣の実家とは比較できない程の豪邸かもしれない。

(そんなところに私が行っていいの?)

そもそも遥人の家族は、結衣との付き合いを知っているのだろうか。知っていたとして賛成してくれているのか。

突然現実を突きつけられたように不安が襲って来た。

別れた恋人の存在や仕事中いつも側にいる梓を気にしていたけれど、それよりももっと大きな問題があることに気が付いたのだ。
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