求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
改めて正面から見ると、驚くほど綺麗な女性だった。
結衣と同年代か少し年下。真っ白な肌に染めたことのなさそうな艶やかな黒髪。目鼻立ちは上品に整っている。
つい見とれそうになったけれど、そんなことをしている場合ではない。
「今日はどのようなご用件でしょうか?」
冷たく聞こえないよう穏やかに微笑んで問う。すると彼女は嫌そうに美しい顔をしかめた。
「私のことご存知ないみたいですね」
「あ……申し訳ありません」
知っていて当然のような態度だったので、つい反射的に謝ってしまう。
すると彼女は不快そうにしながらも、自己紹介を始めた。
「北桜日奈子と申します。突然の訪問申し訳ありません。本日は遥人さんの件であなたにお話があります」
「……才賀君の件ですか?」
(この人は才賀君の知り合い? でもどうして本人じゃなくて私に?)
嫌な予感が襲って来る。
「そうです。あなた遥人さんと個人的に交際されていますよね。失礼ですが調べさせて頂きました」
「調べてって、どうしてそんなこと?」
遥人の知り合いなら本人に聞けば済む話ではないのだろうか。そう考えてはっとした。
(もしかしてこの人……)
彼の知人ではなく、以前聞いた別れた恋人ではないのか。直観的にそう思った。
けれど日奈子の口から出た言葉は、予想を遥かに上回る衝撃を結衣に与えた。