未明の三日月 ~その後

「私、ひどい奥さんだったよね。自分ばっかり大変みたいな顔して。佳宏に 何もしてあげないで。」

美咲は、少し俯いて言う。
 

「俺 全然 気にしてないよ。美咲が一生懸命なの わかっているから。」


佳宏は 美咲の頭に手を置く。


佳宏のぬくもりが 美咲の心を解きほぐす。



涙を流しながら、
 


「佳宏。私のこと、嫌いにならないで。」

美咲は 佳宏の肩に 顔を埋める。
 

「嫌いになる訳 ないでしょう。俺の方こそ 美咲に 嫌われないか心配だったよ。」


佳宏の言葉に、美咲は泣きじゃくってしまう。



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