wedding day
「では、私はこれで」

オーロラは胸が苦しくなり、逃げるように劇場を出た。シリウスたちから離れたくて、足が自然と早くなる。呼吸も乱れていた。

オーロラが曲がり角を曲がろうとしたその時、ドンッと誰かにぶつかってしまった。オーロラの足に子どもがぶつかり、子どもは転んでしまう。

「ご、ごめんね!大丈夫?」

「大丈夫!ほら、僕は平気だよ!」

そう言って立ち上がった男の子にオーロラは見覚えがあった。エヴァの友人であるシャーロックとカレンの子どものアシェルだ。

「あなた確か……アシェルくん?」

「うん!」

アシェルはニコリと笑い、「お姉さん、エヴァちゃんのお友達でしょ!僕の幸運パワー分けてあげるね」と言い呪文のようなものを唱え始める。その様子はとても可愛らしく、心が暗くなったオーロラも笑顔になってしまった。

「アシェルくんは一人なの?」

「ううん。お兄ちゃんと一緒!」

その時、「アシェル〜!!」とアシェルの双子の兄のマシューが走ってきた。
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