wedding day

泣きながらオーロラは呟く。電気をつけず暗いリビングにはオーロラの泣き声だけが響いていた。

もしも自分が生まれなければ、アルフィーはもっと素敵な恋に巡り逢えていた。もしも自分が生まれなければ、ユダに戸籍を操作してもらわずに済んだ。

「私なんて、迷惑かけてばっかり！」

ただ泣くことしかできない自分に苛立ち、オーロラは自身の細い首に手をかける。グッと力を入れると当然呼吸ができなくなる。しかし、その苦しみが心地よかった。

「エヴァさんは……エデンに支配された人たちは……これ以上の苦しみを……」

頭がジンジンと痛む。オーロラはそれでも首を絞める手を緩めなかった。その時、ふわりと背後から抱き締められる。

「オーロラ、愛してる」

いつもと違い、泣き出しそうな声でアルフィーが言った。オーロラはハッとして首を絞める手を緩める。アルフィーは強くオーロラを抱き締めていた。

「俺は、誰よりも優しくて他人の幸せを願うオーロラに恋をした。お前以外の人なんていないんだ。だから、これ以上自分を責めないでくれ」