先輩、私だけに赤く染まって

夜になって、部活が終わった涼子から電話がかかってきた。


「委員会どうだった?」


「特に何もないよ、村田くんが思ったより話しやすかったけど。あ、涼子が好きな稲原先輩いた」


例の野球部の先輩。涼子の推しらしい。


「え!良いなぁ。穂乃果、仲良くなってよ」


私なんかが間に入らなくても美人でスタイルの良い涼子なら先輩といくらでも仲良くなれると思うけどな。


それを伝えると涼子は照れたように黙った。


そのあとは他愛もない話をして、電話を切った。


先輩に憧れる気持ちは分かる。


同学年より断然カッコよく見えるんだよね。


だけど同学年の男子が後輩に騒がれてたりもするから、やっぱり年上っていうフィルターがかかってるんだろうな。


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