どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】

「ただいま……」

「おかえり作之助」

家にはここ最近、数年ぶりに俺より先に帰宅している母親。

「……今日も早いね」

リビングからわざわざ玄関に出てきた母親に言う。

「在宅で出来るようにしてるの。作之助のご飯食べたくて」

「………そう」

どういう理由なんだろう。正直わかんない。

でも、帰ったときに誰かがいるのは……嬉しいかもしれない。

「作之助おかえり~、父さんには夕飯の弁当作ってください。呼び出されました……仕事場戻らなきゃ……」

「あ……わかった」

そしてこちらもこの前、数年ぶりに会話した父親も出てきた。

なんでか知んないけど、あんだけ避け合っていた両親が家に揃うことが多くなった。

外で話し合う機会でもあったんだろうか。

家にいる両親が喧嘩をするところも見ない……。

息子としては喧嘩しているところを見るのは辛いからいいんだけど、急に変わり過ぎてちょっと戸惑う。

「お父さん、お弁当のリクエストは?」

「え、作之助が作ってくれるのは全部美味しいからなんでも。お母さんは夕飯に食べたいものとかある?」
 
……以上の会話は両親たちのものだ。俺は一言もしゃべっていない。

ほんと急にどうした何があったちょっと怖い。

……いいや、メシ作るか。着替えてこよう。

部屋に戻って制服から私服に替えてついでにエプロンも手にしてリビングに戻ると、ダイニングテーブルで楽しそうに話している両親がいた。

……うん。夕飯の仕込みは朝にしてあるから、火を通すだけだ。

父親は弁当とのことで、食器棚から弁当箱も取り出す。

父親が毎日帰って来るようになってから急きょ買ったものだから百均のなんだけど、もう少し大きなものを今度用意しておくかな。

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