どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
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「どう? すごいでしょっ」
「初めて来た……」
水都さんに指定された土曜日。
連行されるような勢いで連れて来られたのは、別の高校の体育館だった。
「羽咲ちゃんは~……あ、あそこ! 彩加ちゃんもいるねっ」
「うん」
今日は司さんのいる高校も出る、複数の高校空手部の練習試合の日らしい。
水都さんは司さんの応援に命をかけているとかで、応援はコンプリートしたいと言っていた。執念だ。
「俺、試合を直に見るの初めてだ」
体育館を半分に区切って、二試合、四校の対戦が同時に行われる仕様のようだ。
俺たちは応援場所にされている回廊に上った。
「作之助も正式にならってみてもいいんじゃない?」
先を歩く水都さんが振り返りながら言った。
「それもいいね」
俺の、自分でも驚く素直な反応に、水都さんは大きく瞬いた。
「うんっ。きっとめっちゃ強くなるよ!」