どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
「水都さん……?」
水都さんは恐る恐るといった様子で口を開く。
「お、恩返し、やだ……恩返しじゃやだ……。別の意味で作之助がそう言ってくれないと……」
瞳が潤んできた水都さんに重ねて問う。
「どうして?」
ふるっと、一度首を横に振った。
「……っ、だって……、『恩返し』で、もらいたい言葉じゃない……」
「水都さんの父様と母様も、そうかもね」
水都さんがはっと瞼をあげた。その顔は今までと違う。
……やっと、届いたかな。
「あ……」
水都さんの父様と母様はずっとやきもきしていただろう。
簡単な答えこそ、たどりつくのは難しいのかもしれない。
「恩返しじゃなくて言いたいこともあるよ。言っていい?」
それはさっき、水都さんが俺に望んだことの半分。
もう半分は叶える気はないけど、これは叶えられる。
水都さんの返事を待たずには俺は言った。
「俺は水都さんがすき。だから俺のことすきになって。それで……俺のところに来て」