仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
悠介さんの言葉によって笑みがこぼれた。
「あ、そうだ。キーホルダー落ちてたんだけど、知らないか?陽愛のと似てるし、」
彼が見せたのは私と同じビーズで作られたキーホルダー。そこには【RYUUTA】と書かれていて……。
りゅう、た……?
『ねぇ、絶対迎えに来てくれる?』
『うん、絶対迎えに行く。それまでこれ持っとれ。』
記憶にないはずなのに、どこかにあった記憶のカケラが私の頭の中で聞こえてくるのが分かる。
「わ、私のです……」
自然に言葉が出てきてそう言った。
「そうか。大切にしろよ?」
そう言われ、それを無意識に私は握りしめた。