私は月夜に恋をする
「やんのか手前、俺にちょっとでも手を出してみろ、警察のお世話になる事になるぜ
騒ぎをおこして退学になりたくなけりゃあ、さっさと失せろ」
「お世話になるのは、明らかに貴方の方ですよねおおよそ虐待でもしてたんですかね?
これで命のあの行動にも、言葉にも合点がいく」

"今から通報でもします?"と言われた途端、
男が急に大人しくなった。

「あ、明日には帰ってこいよ。母さんが心配するからな」

そう言って地面に唾を吐いて去っていった父親の背中を目にして、
体の力が抜けてしまった。

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