青春ヒロイズム
「何?拒否らないのは抱っこ希望ってこと?」
コテ、っと首を横に傾けた星野くんが、真顔で訊いてくる。
星野くんが真顔過ぎるせいで、すぐに拒否しなかった自分が余計に恥ずかしかった。
「いいえ、それはないです」
「じゃぁ、乗って」
頬を熱くしながらも静かに否定すると、星野くんがふっと柔らかく微笑む。
その笑顔に一気に心臓をかっさらわれてしまった私は、星野くんの背中に素直に身を預けることにした。
「重いかも」
「平気だよ」
遠慮がちに星野くんの肩をつかむと、彼がゆっくりと立ち上がる。
そのとき、上空がぱーっと急に明るくなった。
見上げると、始まりの花火が既に夜空で瞬いている。
それに続くように次々と色とりどりの花火が上空で大きく弾けていく。
「花火、始まったね」
「うん」
「ごめんね、私のせいで。早くみんなのところに戻らないと」
「いや。先にコンビニか薬局探しに行こう」
私の顔の前で、星野くんがゆっくり頭を振った。