慈愛のケモノ
そう言い聞かせないと心の安寧が保てなくて、辛かった。
「大丈夫? お腹いっぱい?」
「大丈夫です、ちょっとお手洗いに行ってきます」
ジェラートはミニサイズになっていて、デザートとして丁度良かった。
トイレの鏡に映る自分を見つめる。
可愛いなんて誰も思わない。
お世辞にしては薄っぺらくて、嘘にしては分厚い。
携帯のランプが点滅しているのが見えて、画面を開く。真希から『ちゃんとランチできた?』というメッセージ。
二つ一緒に欲しいなんてと思ったことはない。
そんな贅沢は望んでいないのに。