強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
二日後の日曜日、午前八時。
東京発、新大阪行き【のぞみ】に乗り、荷物を棚に上げ座席に座る。
「忘れ物はないか?」
「八雲さん、それ新幹線に乗ってから聞きます?」
八雲さんとの意味のない会話をさっと済ませ、ほっと息をつく。乗る前に買ったお茶の入ったペットボトルを開けると、それを喉に流し込んだ。
「緊張してるのか? 俺とふたりで」
そう言って八雲さんは腕を組み私にもたれ掛かると、肩に頭を乗せた。
「いいえ。煌月さんとお会いするので、緊張してるだけです。間違っても八雲さんには緊張しませんから、ご心配なく」
でもその頭をどけることはせずに、そのまま肩を貸す。
八雲さんはここ三日ほど朝は早くて帰りも遅く、ご飯も一緒に食べていないし顔すら合わせることも少なかった。
すれ違いの生活で食事をとっているのか心配になってメールをしたら、『大人だから大丈夫』と返ってきて安心していたけれど……。