偽りのキス
UFOキャッチャーをしてる時
私の後ろに清田くんがピッタリくっついた
緊張して上手くできなかった
「あー、乙ちゃん…下手…」
清田くんに笑われた
「ちょっとオレにやらせて…」
私の手の上に清田くんの手が重なった
レバーを握る手が汗ばんだ
「やったー!ゲット!」
「すごーい!清田くん」
振り向くと清田くんの顔が近かった
清田くんがじっと私を見た
なんか、変かな?
「…ん?」
私は目をそらした
「かわい…」
清田くんがそう言って
とったぬいぐるみを私にくれた
クマ?
蒼汰が描いてくれた絵を思い出した
「うん、かわいい!
ありがとう」
「オレが言ったのは
そっちじゃないけどね…」
「ん?」
「まぁいいや…乙ちゃん喜んでくれたから」