偽りのキス

清田くんは蒼汰のマフラーを取って
新しいマフラーを私に巻いてくれた



また顔が近くて恥ずかしかった




「うん、似合うよ」

清田くんが私を見て言った



「ありがと」

恥ずかしくて目をそらした




「乙ちゃんって、オレの目見ないよね」

清田くんに言われた



「…そぉかな?」



たぶん私は
合わせないようにしてた…




「うん、全然、目合わない
オレ、ずっと見てるけど…

たぶん、乙ちゃんと目合ったら
オレ、乙ちゃんにキスすると思う…」


私はうつ向いた



「ほら、ね…」

清田くんが残念そうに言った





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