偽りのキス
蒼汰は次の朝
マフラーをしてなかった
ホントに捨てたのかな?
私が借りた時、汚しちゃったのかな?
「ハイ…」
清田くんからもらったマフラーを蒼汰に渡した
「え…?」
「清田くんから…
蒼汰にあげて…って」
蒼汰にマフラーを巻いてあげた
「乙のマフラーは?」
「今度、買うから大丈夫」
首元が少し寒かった
「今日、帰りに一緒に買いに行こう」
蒼汰が言ってくれた
「え…」
いいの…?
「あ、別に今日じゃなくてもいいけど
寒そうだから…
明日からまた寒くなるっていうし…
でも…律と帰る?」
蒼汰が
心配してくれて少し嬉しかった
「んーん…もぉ清田くんと帰らないかな…」
たぶん、清田くんは
もぉ待っててくれないと思う…