偽りのキス
「よかった…蒼汰が一緒に来てくれて」
「うん」
ふたりの間に風が吹いた
寒い
清田くんが近すぎたせいか
蒼汰との距離がすごく遠く感じた
ホントは蒼汰に近付きたい
ホントは蒼汰に近付いてほしい
もぉ帰るかな…
「一緒に来てくれてありがとう
時間あったら、ファミレス行かない?
着いて来てもらったお礼」
蒼汰に言ってみた
ダメ、かな…?
「お礼とか、別に…いいよ
オレ、マフラーもらったし」
そっか、
やっぱり…
「うん、清田くんのだけどね
…じゃあ、もぉ、帰ろっか…」
「乙、腹減ってないの?
オレ、なんか食べたいな…
乙が良ければ、ファミレス寄って行こう」
「うん、私も行きたい」
蒼汰が誘ってくれたみたいで
嬉しかった